介護施設や自宅で使用済み紙おむつがトイレや下水に流せる?
近い将来、紙おむつが下水に流せるかも?というニュースが飛び込んできました。
これは、自宅での介護や施設での介護する人にとっては朗報ですね。
このニュースは、厚生労働省が本日(2018年1月31日)に議論を開始した内容になります。
しかし、紙おむつを下水に流すなんて、常識では考えられません。
どんな仕組みで紙おむつを下水に流せることが可能になるのでしょうか?
紙おむつを下水に流せる仕組み
この仕組みは、台所の生ごみを処理する「ディスポーザー」と同じです。
ディスポーザーとは、台所のシンクしたに設置し、生ごみを細かく砕く粉砕機です。
これにより、生ごみが溜まることがなくなるため、衛生面でも推奨されています。
ディスポーザーはアメリカで開発され、普及してきたキッチンアイテムです。
日本での普及はまだまだですが、キッチンの人気家電製品の1つです。
ディスポーザーのメリットとデメリット
ディスポーザーは、料理後にすぐに生ごみを処理してしまうので、悪臭の原因を防いだり、虫が発生することを防ぐことができます。
ゴミの量も軽減されますので、この点では環境に優しいですね。
しかし、デメリットとしては、特別な浄化槽を必要としますので、設置費や維持費などがかかり、定期的なメンテナンスも必要です。
また、若干光熱費が高くなり、下水に流すことで環境汚染に繋がる可能性もあると言われています。
環境に良いのか悪いのか、議論の余地がありますね・・・
メリットもデメリットもあるディスポーザーですが、これを紙おむつの処理に応用しようと言うのが今回厚生労働省の議論の始まりです。
どの様にして紙おむつに応用するのか
イメージとしては、トイレの横に、ディスポーザーを置いて、紙おむつを粉砕して下水に流すと言うもの。
※テレビ東京の「ゆうがたサテライト」より
これが実現されれば、紙おむつの処理の悩みがなくなります。
介護の現場では
東京都調布市にある特別養護老人ホーム「かしわ園」。
かしわ園を利用している人は、約140人、そのうち8割が紙おむつを使用しています。
かしわ園の介護職員は、使用済みの紙おむつの処理を毎日2回行っています。2つのユニット分、約20人分のごみを片付けることもあるそうです。
尿をたっぷり吸った紙おむつは、ずっしりと重くなります。大人20人分となるとどれほどの重さか想像がつきます。
かしわ園の施設長は、下水に紙おむつを流すことが実現すれば、衛生面と感染症予防でかなりメリットがあると語っていました。
施設でも家庭でも、使用済みの紙おむつはビニールに入れてしっかり縛っても、臭いの原因になります。
特に、夏場などは、1週間に2回の生ごみ回収では臭いを封じ込めておくのが大変ですよね。
ディスポーザーですぐに処理ができれば、臭い対策としてはとても有効だと思います。
反対の意見
現段階では、反対の意見も出ています。東京都の下水道局では、「紙おむつが流れてくると処理場の機能では対応しきれない」と言う意見です。
厚生労働省は、これらの意見を考慮しつつ、5年後の2023年の実用化を目指して議論を開始しています。
- トイレの側に設置するスペースがあるのか?
- 設置のコストは誰が負担するのか?
- 環境汚染の問題は?
- 下水道の処理機能は?
など、解決しなければならない問題は多々ありますが、実現すると介護の現場はかなり楽になると思います。
今から5年後が楽しみです。