地方でサ高住(サービス付高齢者住宅)に住む費用は東京の半分
老後をどこで過ごすか?これは私たち中高年や親の世代にとってはとても切実な問題です。
老後の住まいの形は色々なタイプがあり、わかりづらいと思いますので、ここでは、民間の場合でご紹介します。
公共の特別養護老人ホームなどは順番待ちでとても入れる状態ではありませんよね^^;
民間には、簡単に分けると6つのタイプの老人施設があります。
- 介護付き有料老人ホーム
- 住居型有料老人ホーム
- 健康型有料老人ホーム
- サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
- 認知症対応型共同生活介護グループホーム
- シニア向けマンション
民間の中で現在注目されているのが「サービス付高齢者住宅(サ高住)」です。
サ高住は全国にあり費用もマチマチですが比較的入りやすい老後住居の1つです。地方には新しいサ高住がどんどん建設され、2012年には1000棟弱だったものが、2016年には6000棟と約6倍に膨れ上がっています。政府も地方のサ高住への移住を進めています。
サ高住が生涯居続けられるかどうかは別問題として、高齢者用の住宅として注目され、その数は増えています。
そこで、東京と地方を例にとって、サ高住の費用を比べてみました。地方は、福井・高知・三重県として算出しています。(日本経済新聞より)
この数字は、日経新聞2016年3月16日のものですが、サ高住の費用だけで、東京251,460円に対して、地方ではその半分の125,663円です。
その他、介護などの雑費、交通・通信費、保険医療費、衣服・靴費、家具・家事用品費、水道・光熱費、食費などを入れると、総額で東京約400,000円、地方は250,000円になります。
こんなに差があるなら、お金に余裕がない場合、地方に行くしかないですよね。
新聞に載っていた横浜市の女性(80歳)の例ですが、本当は都会が好きだと言いますが、経済状況から栃木県那須市の「ゆいまーる那須」に老後の住居を構えました。
「ゆいまーる那須」は東京から東北新幹線で約1時間半。別荘風の建物に70戸の住居があります。
ここには、63歳から91歳の人が76人暮らしていますが、要介護、要支援の認定を受けている人は7人だけと言う比較的元気な高齢者が暮らしています。
元気なうちに地方に移住して田舎でのんびり暮らすと言うコンセプトの元、移り住んできた人たちです。
東京に比べて費用はかなり安く、「頭金1000万円に月々12万円ほどで暮らせる」のが魅力です。
ここは家賃が一括前払いで、一番狭い部屋の場合、1175万円です。15年以内に退去すると期間に応じて返却あり15年を超えても負担金はありません。
月々の費用の12万円の内訳は、公益費、性活サポート費、水道光熱費、食費、交通費、医療費、趣味費など諸々です。
女性は、自宅を売却したお金で頭金を作り入居しました。年金は国民年金のため、月々足りない分は貯金を切り崩しながら生活しています。
理想は月10万円以内で収めたいところですが、東京に行ったり来たりすると10万円をオーバーしてしまうそうです。
しかし、もし東京で夫婦2人でサ高住に住むとしたら40万円もかかりますから、地方のサ高住はもはや当たり前になりつつあるかもしれませんね。
もちろん、サ高住は認知症が進んだり胃瘻などの医療行為が必要な場合には住み続けられないケースなどもあり課題も残ります。
専門家は、「どこで、だれと、何をして暮らしたいか」を良く考え、「元気なうちに決めること」が大切だと言います。