日中独居老人の孤独死が増える クローズアップ現代
2016/04/16
家族と同居しているにもかからわず、日中一人で生活している「日中独居老人」が増えています。
家族は、仕事や学校等にでかけてしまい、日中は一人で生活する老人たち。
2015年に芥川賞授賞作品「スクラップ・アンド・ビルド」では、認知症にかかった祖父と会社をやめて就職活動の間家にいる孫との日中の生活が綴られていましたね。
このような場合はいいのですが、日中独居では、完全に一人ぼっちになってしまいます。
実は、家族と同居しているのにもかかわらず、日中一人で亡くなっている高齢者が急増しており、その数は年間2000人もいるそうです。
安心して老後を送れるはずの同居生活が、なぜ孤独死しなければならないのか・・そこには、多くの問題があるようです。
親が元気なうちは孫の世話を頼み、共働きできるという、同居ならではのメリットがあります。
しかし、親の介護の必要な年代になってくると、家庭の環境は一変します。
仕事や学校などで家族全員が家をでるようになると、高齢者の親だけが取り残されることになります。
両親とも健在なうちは安心ですが、片方が亡くなったしまった場合には、誰かが仕事をやめない限り一人っきりになってしまうのです。
特に、要介護状態や認知症などの状態になった場合には、家の中で家族の帰りを待つだけになってしまうのです。
通常、このようなケースでは、独居老人と同じように訪問介護で生活援助を受けることができるのですが、「同居者がいる場合には、生活援助は無理」と断られる地域もあるようです。
高齢になった親を支えるために働かざるを得ないのに、介護支援が受けられない・・。結果として、親を一人残して働きにでざるを得ない・・。
このようなケースが、日中独居老人を生み出しているのです。
NHK「クローズアップ現代」でも、この問題を取り上げていました。
クローズアップ現代で取り上げた男性
横浜市に住む70代の男性は、奥さんと娘さんと同居していたのにもかかわらず、突然の発作で亡くなったしまいました。
娘さんは、両親の面倒をみるために複数の仕事を掛け持ちしていてほとんど家にいない状態で、奥さんは認知症だったため夫の異変に気づかなかったそうです。
番組では、埼玉県の団地の「高齢者見回りボランティア」を活動を紹介していましたが、そのような地域は稀であり、どこの家庭も自分の家のことで一杯一杯の状態にあります。
日本は、経済的には世界のトップランクの国でありながら、福祉においては本当に情けない状態です。
日本で安心して高齢化社会を迎えるためには、だれでも入れる料金体系で充実した生活が送れる老人施設がもっともっと必要です。
一般庶民の実情にあった、福祉対策を実施して欲しいですね。