ペースメーカー受け入れ可能な老人ホーム・介護施設
2020/08/08
ペースメーカーを装着されている方の介護施設に関しては、ペースメーカーのケアが必要ないため、多くのところで入居可能としています。
他の入居者がスマホやガラケーを使っているのが心配な方は、それなりに気をつけて生活することが必要です。
ご自分で使用される場合にも、ペースメーカーから15cm離すことはしっかり守り、トラブルを避けなければなりません。
特にベットの中に置いておくと、知らないうちに胸元付近にスマホが移動してしまうことがありますので、注意が必要となります。
また、施設の携帯電話の利用規約なども、しっかり確認しておく必要があります。
ペースメーカーの受け入れ可能な介護施設は全体の約7割と比較的多くあります。
ペースメーカー装着をされる方
心臓は、通常時1分間に60回~80回のペースで収縮しながら、全身に血液を送りだしています。
心臓を収縮させるための電気信号をつくりだしているのが、「洞結節(どうけつせつ)」と呼ばれる部分で、心臓の右心房付近にあります。
この洞結節に異常が起こると、電気信号がうまく伝わらず、心臓のリズムが遅くなったり停止してしまったりする「徐脈性不整脈」が発生します。
徐脈性不整脈が頻繁におこると、意識がなくなったり、失神発作をおこして突然倒れるなど、大変危険な状態になってしまいます。
このような症状を改善するために装着されるのが、ペースメーカーです。
ペースメーカーのしくみ
ペースメーカーは、心臓の動きを常に監視し「徐脈性不整脈」が起こったときに、洞結節に代わり電気信号を心臓に送り込み、正常に鼓動させるための装置です。
心臓の電気信号を監視発生させる本体と、電気信号を感知したり電気信号を伝えるためのリードと呼ばれる線で構成されています。
ペースメーカーは、右左のどちらかの鎖骨の下を切開して、皮膚と肋骨の間に空間をつくり本体を埋め込みます。
本体の大きさは、高さ4~5cm×幅4~5cm、厚さ5~6mm、重さ20g程度。リードの長さは、太さ1.7mm~2.0mm、長さ45cm~60cmとなります。
リードは鎖骨下静脈からレントゲンで透視しながら、心臓の中に入れて固定し本体とリードをつなぎます。
手術は比較的簡単で局所麻酔で行い、1時間~2時間程度で終了します。手術中は意識もあるので、医師と話すこともできます。
ペースメーカーは電池で動いているため、電池の寿命が切れる前に交換する必要があります。通常、電池だけ交換するのではなく本体ごと入れ替えます。
電池の寿命は一般的に7年程度と言われていますが、正常状態が長い場合にはあまり電池も消耗しないため、10年以上使用できることもあります。
ペースメーカー利用時の注意点
ひと昔前は、家電製品に電磁波などの配慮もあまりされてなかったため注意が必要でしたが、現在は日常的な電化製品ほとんど安心して使えます。
しかし、磁力や強い電磁波を発生させるものは使用禁止、または使うときには注意が必要となります。
絶対に使用できないもの
- 高出力トランシーバー
- 低周波治療器
- 電気風呂
- 磁気マット
- 磁気治療器
- 電気メス
- MRI
- 衝撃波粉砕装置
注意すれば使用できるもの
- 電磁調理器
- IH炊飯器
- 携帯電話
- 電気のこぎり、ドリル、研磨機
- 電気毛布、電気敷布
- 体脂肪計
- 電動マッサージ
- 金属探知機
スマートフォンの利用
これまで携帯電話は、医療機器やペースメーカーに対しての危険性が指摘されきましたが、現在のスマートフォンやガラケは性能も向上し影響はかなり低くなってきました。
総務省では、平成25年(2013年)電波利用機器のペースメーカーに対する影響を調査し、安全確保のため距離を15cm程度以上離すことを注意事項としています。
「各種電波利用機器の電波が植込み型医療機器へ及ぼす影響を防止するための指針」の改正(総務省植込み型指針)
・影響の比較的大きかった第二世代携帯電話サービスが平成 24 年(2012 年)7 月に終了したことを踏まえ、調査検討の結果、携帯電話との離隔距離を 15cm に改正。
それに伴い、電車やバスの優先席に表示されていた注意も次のように変わりました。
「優先席付近では携帯電話の電源はお切りください。」
⇒「優先座席付近では、混雑時には携帯電話の電源をお切りください。」
現在のスマホやガラケーについては、ペースメーカーとの距離を15cm以上離せば、本人も周囲の人の使用も、ほとんど問題ないと言われています。
しかし、一部のペースメーカでは、3cm以内に携帯電話が近づくと誤作動が起きるとの指摘がありますので、スマホやガラケーをペースメーカーが装着されている胸のポケットには入れない、また、寝床にはスマホやガラケーを置かないなどの注意は必要です。
スマホやガラケーの取り扱いがかなり気になる方は、看護師の常駐されている施設や、医療施設が併設されているホームや施設に入居すると安心です。