国民年金6万円で入れる老人ホーム、老人施設はあるのか?
2017/08/29
国民年金は40年間積み立て場合、満額で年間78万円、月額65000円になります。実際に受け取っている国民年金平均受給額は、5万4544円(平成25年度)だそうです。
この料金(食事込み)で受け入れてくれる老人施設や老人ホームは、ほとんどありません。しかし、生活保護を受けることで、不足分を扶助してもらい月額10万円前後の施設に入れることができます。
生活保護制度とは、「資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度です。(厚生労働省)」という国民の生活を守るための制度です。
生活保護金額は、地域や世帯の状況によって異なりますが、60歳以上1人住まいの場合、月額9万円~13万円くらいの金額となります。
生活保護金額の内訳としては、生活扶助基準額が6万円~7.5万円、住宅扶助が3万円~5万円となります。(住宅扶助は、持ち家の方には支給されず、また、家賃が低い場合には、住宅扶助額は家賃の金額となります。)
●例 (埼玉県川口市、60歳 から 69歳まで1人暮らし)
生活保護費 128,180 円
【内訳】
生活扶助基準額 80,480 円
住宅扶助基準額 47,700 円
国民年金の費用だけで生活できない場合、生活保護を申請し受理されれば、年金と生活保護のダブルで受給し生活することができるようになります。
例えば、生活保護の基準金額が12.8万円の地域で、国民年金月額5万円の方の場合には、
12.8万円(生活保護費)-5万円(国民年金)=7.8万円(月額)
が扶助してもらえることになります。
つまり、このシステムを利用すれば月額10万円前後となり、老人施設や老人ホームに入居できる収入を得ることができます。
ただし、生活保護を受けるためには
①預貯金、保険、不動産等の資産調査
②扶養義務者による扶養(仕送り等の援助)の可否の調査など
いくつかの条件があり、資産等がある場合には、まずそれらを売却して生活費に当てるよう指導されます。
2013年に、大阪売れっ子芸人の親が生活保護を受けていて社会問題になりました。このケースでは、高収入の売れっ子芸人が、親へ仕送りの援助をできないわけがないと「不正受給」を指摘され不正受給分が返却されました。
でも、自宅を処分したくないため生活保護を受けず、国民年金だけで厳しい生活している高齢者がたくさんいることを考えると、別の方法をぜひ考えて欲しいところです。
生活保護の受け方については、市役所やケアマネージャーに相談をすると詳しいアドバイスが受けられます。
10万円以下で入れる老人ホームの資料を取り寄せたうえで、相談すると具体的な話が進む可能性があります。
資料請求は無料です。