介護は他人だからできる 自宅介護と老人施設への本音|みんなの本音①
2019/07/11
老人施設.com では、自分の親や祖父母の介護、または自分が介護される立場に立った時、どうしたいか?、どうされたいか?のアンケートを行いました。
「みんなの意見」は自宅介護派と介護施設派に分かれました。
大まかに分かれた意見
- できれば、自宅で介護をしたい
- できれば自宅で介護したいが、色々な事情で無理だと思うのでホームや施設のお世話になりたい
比率は、①の自宅介護派は少なく、②の施設(プロ)に任せたいと言う意見が圧倒的多数でした。
上記の2点は、地域や家庭環境によっても意見が分かれるところだと思います。
都会と田舎、核家族と大所帯では意見が分かれるのも当然ですね。
施設に入れることで「あのうちは親を捨てた」と非難される地域もまだまだ存在します。世間の目を気にして「親を施設に入れられない」と言う地域もあります。
また、育ててもらった恩義から自分が最後まで面倒見るのが当たり前と思っている人もいます。
施設に入る当人も、「子供に迷惑をかけたくない」と積極的に入る人もいれば、「自分は家族から捨てられた」と感じる高齢者もいます。
自宅にいたい親を無理に施設にいれることに罪悪感を覚える人もいることでしょう。
ただ、「施設派」の方でも、「できればずっと自宅で面倒を見たいけれど事情が許さないので、介護に慣れている施設の方が双方(親も自分も)幸せなのではないか?」と言う意見が多いように思います。
私も、人手もあり可能であれば、住み慣れた家で最期を迎えられれば理想だと思いますが、家庭が崩壊したり、介護をする人の人生を犠牲にしてまで「自宅介護」にこだわる必要はないと思っています。
中には、自宅介護は無理だけど経済的な理由で自宅介護を選ばざる得ない人もいます。
政府は「自宅介護」を推奨していますが、「無理心中」や「介護殺人」が起こっているのも事実です。
介護施設も、高級料理に毎日のようにレクレーションを行っている施設もあれば、虐待が問題になっている施設もあり、本当に様々ですね。
介護施設や老人ホームの形態も日々変化しています。このような状況を踏まえた上で、皆さんから介護に関する貴重なご意見をいただきましたのでご紹介したいと思います。
現在、悩まれている方やこの先の事を案じている方の参考になれば幸いです。
介護は他人だからできる 家族で自宅介護はもう昔の話
既に自宅介護で家族崩壊や事件が発生しているにも関わらず、現状から目を背け理想を通すのは非常に浅はかだと思います。
実際に親の介護を通し、実際に老人施設で看護士として働き双方の立場からして言える事は、介護は他人であり仕事だからできるという事です。
身内であれば私情も入ります。お世話する側される側の距離感が重要です。
24時間この先いつまで続くかわからない介護が家族を苦しめ二次的な問題を引き起こします。
昔の家族形態の様に親世代、子世代、孫世代と大家族で介護人が多ければある程度いけるでしょうが現代の核家族化、住宅事情を考えたら非常に難しいと思います。
家族で最後まで自宅で見守るのはもう昔の話であり、本人と家族の為にも老人ホームの利用を推奨し、また介護職として働けるポジションをもっと拡大すべきだと思います。
40代女性 施設やホームの希望月額料金12万円
親には施設に入ってもらい子供らで援助する それがせめてもの恩返しで最後の親孝行
親が自立している間は別ですが、そうでなくなった場合は老人ホームや介護施設に入ってもらいたいと思います。
同居していないから心配です。かといって我が家に来てもらい同居するというのは正直厳しいです。
育ててもらった恩があるから本当なら恩返しで同居するべきかもしれません。
しかし実際にそうなると、お互いに気を使うでしょうし、今まで平穏に過ごしてきた自分の家庭の空気も変わりそうでできません。
認知症ももちろんですが、とにかく身の回りのことができなくなったら施設に入ってもらい、時々会いに行くのがお互いにベストだと思っています。
お金のこともありますが、親の年金だけで足りなければ兄弟にも声をかけて、みんなで少しずつ負担すべきだと思います。それがせめてもの恩返し、最後の親孝行。
みんなそれぞれの暮らしがあるので、それを守って過ごしていきたいです。
50代女性 施設やホームの希望月額料金12万円くらいまで
細かいことができなくなっていく母にイライラし自分も怒りっぽくなる
私、80代の実母と息子(17歳)と猫1匹と暮らしておりますシングルマザーです。
幸か不幸か、80代の実母は、痴ほう症の病歴もなく、助かっておりますが、残念ながら、今年の2月に一過性の脳こうそくを起こし、要支援1となり、リハビリのために週1回午前中だけ施設に通うことになりました。
実母のせいか、言いたいことを言い合える仲なのですが、逆にそれもいい面もあります。
しかし、なかなか子供としては、若い母親を覚えてるだけに、細かいことができなくなっていく母を毎日見ている間に、イライラしたり、私も怒りっぽくなってしまうことが多くなっているように感じで、親子関係が悪くなっている中で、施設に週に半日だけでも、行ってくれることが助かるなと感じます。
私の場合は、まだ、徘徊や食事の面でも苦労はないのですが、家族だからと言って、家族では見切れないことがたくさんあるように思えます。
仕事もし、家事もし、と家族内だけでしかわからない苦労は、どこのご家庭でもあるように感じます。
健康寿命と言われて、ずいぶんたつと思いますが、やはり、健康で長生きしたいというのは、皆さんの望みだと思います。
その中で、仕事、家庭、もちろん健康とプライベートを充実させるためには、施設の利用は、不可欠のような気がします。
ボケたら施設に入れてね!思いやりを保つには適度な距離が必要
義母は常に「ボケたらすぐ施設に入れてね」と口ぐせのように言っていて、それが本人の希望のようです。
義母の姉が自宅介護の経験があり、かなり辛かったようでそれも影響しているようです。
基本的には本人の希望を優先したいですが、できれば義親も実親も老人ホームに入ってほしいです。
何歳で要介護になるのかにもよりますが、こちらにも生活があります。
24時間365日自宅で介護することはやはり精神的にも、体力的にも辛く互いのストレスになると思うからです。
元気な実親でさえ、四六時中一緒にいたらお互いストレスがたまるでしょう。
冷たいかもしれませんが、適度な距離感を保っていたほうがお互いに思いやりを持って接することができると考えています。
30代女性 施設やホームの希望月額料金10万円前後