自営業で国民年金 貯金は6000万円の場合の入居一時金はいくらまで?
2016/04/16
老後と一概に言っても、サラリーマンだった人と自営業だった人では、ホームの選び方も変わってきます。
自営業の方は、特別に個人年金などを掛けていなければ、老後の収入は国民年金のみとなります。そんな自営業の方が、老後施設を選ぶときはどんなことに注意し、どのレベルの施設を選べば破産することなく生活できるのでしょう。
まずは、自営業の例を見てみましょう。自営業Aさん(67歳)は、自宅で商売を営んできました。
商売はそのまま息子が継ぐため、家の売却はできません。その他不動産などの資産もないため、あてにできるのは自らがためた6000万円の貯蓄と国民年金のみです。
これを資金計画のめどたてるための公式に当てはめてみました。また、この公式に当てはめると、入居一時金に使って良い金額がわかります。
公式:
入居一時金=総資産-ホーム入居前の貯蓄切り崩し額-入居後の貯蓄切り崩し額×生きると仮定した年月-予備金(臨時出費)
自営の商売はあと2年間続け70歳で引退、75歳の時ホームに入居、80歳で亡くなると仮定して計算をしてみましょう。現在妻は65歳ですが、Aさんが亡くなった後も8年間1人で施設で暮らすと仮定します。
まず、ホームに入るのが75歳ですから、67歳の現在からホームに入るまでの8年間(うち70歳までの2年間は自営収入あり)の総支出は、2400万円。
収入を差し引くと貯金を切り崩した額は、792万円です。ホームに入居した後も、それまでとほぼ同じくらいの支出だとすると、ホーム入居後の貯金の切り崩し額は、年間144万円となります。
年間の出費は、突然の病気や思わぬ出費、思った以上に長生きすることも想定して多めに見積もっておいたほうが良いでしょう。
Aさんが80歳で亡くなった後、残された妻の貯金切り崩し額を月々10万円と仮定すると8年間で960万円となります。それに、思わぬ出費を年間50万円と想定すると、400万円ほどの上乗せが必要になり、1360万円となります。
また、70歳で引退後の収入は国民年金だけになってしまうので、2000万円程度の貯金は残して置くほうが安心です。その結果、確保しておいたほうが良いお金は、3360万円程度となります。
それらを計算式に当てはめてみると、6000万円(総貯蓄額)-792万円(ホームへ入るまでの総支出)-144万円(ホーム入居後の貯蓄切り崩し額)×5年(80歳-75歳)-3360万円=1100万円
自営業Aさんの余裕のお金は、最大でも1100万円となります。
もし、入居一時金が必要なホームに入るなら、最大でも1100万円までのホームと言うことになります。おなじ自営業でも、Aさんと違い自宅を売却できたり、貸したり出来る場合は、もうすこし余裕がでてきます。
しかし、これはあくまでAさんが80歳まで生きると改定した計算方法です。90歳や100歳まで生きたとしたら、いくら余裕を持たせた計算をしても貯金が底をつく可能性もあります。
なるべくなら、切り崩すお金を少なくすることが理想です。国民年金の場合、多くても月額7万円の支給ですから、7万円で抑えることは難しいと思いますので、月額利用料が低めの施設も考慮にいれると良いですね。