認知症による暴力などで老人ホームを出され契約を解除
2018/07/06
老人ホームを選ぶときは、ホームを退去したくなければ、将来認知症になる可能性も考慮して選ぶと良いですね。
その時、認知症になったら「退去しなければならないのかどうか」を事前に確認しておく必要があります。
認知症と言っても、症状は様々で、大人しい認知症もあれば、暴力的な認知症もあります。
認知症OKですと言われても、あまりに暴力が酷くホームの存続自体を脅かす場合は、精神病院などの転院もあるかもしれませんので、どのレベルまでOKなのかも聞いておくと安心ですね。
老人ホームに入るときにはまったく問題がない場合
- 自分だけは大丈夫
- 自分の親はしっかりしているので認知症にならないだろう
- 認知症になったらなったときに考えればよい
などと思いがちで、後々認知症になったときやっぱり考慮しておけばよかったと後悔しないようにしたいものです。
と言うのも、ホームに入るとき一時入居金がある場合、一定の期間(ホームにより多少違います)が経つと一時入居金は消化され戻ってこないからです。
そうなると、1からホーム探しになり、またお金が必要になるケースもあるからです。
このような事態を避けるには、入居金がかからない(一時入居金0円)のホームを選ぶのも1つの選択です。
今回このようなことを思ったのは、昨日、次の様なニュースがあったからです。
「終(つい)のすみかとして暮らせます」とうたった有料老人ホームのパンフレットの説明が景品表示法違反にあたるとして、運営会社が措置命令を受けました。
消費者庁から改善策を求める措置命令を受けたのは、全国で100軒余りの有料老人ホーム「イリーゼ」を運営する「HITOWAケアサービス」です。イリーゼのパンフレットには「終のすみかとして暮らせる重介護度の方へのケア」と書かれ、終末期のケアが充分であることがアピールされていますが、認知症による暴力などで契約を解除することがある旨が掲載されていませんでした。消費者庁は、これが景品表示法の「一般消費者に誤認される恐れのある表示」にあたると判断しました。HITOWAケアサービスは「二度とこのようなことがないよう、監視体制を強化します」とコメントしています。
2018年7月3日(火)19:16配信 テレビ朝日ニュースより
老人ホームも営利を目的とした企業ですから、あまり厳しいことを表記したくないのも分かります。
老人ホームのパンフレットには、キレイで良いことばかりが書いてあり、悪いことが書いてないのも見かけます。
消費者庁から改善策を求める措置命令があれば別ですが、すべての老人ホームのパンフレットに目が行き届いてないのも現実です。
このような場合、契約前に自らしっかりと確認することが大切ですね。
重度の認知症は自宅介護か施設か
認知症も暴力的になると介護従事者は本当に大変です。
家族で在宅介護をしている場合、家庭崩壊や最悪介護殺人まで起こりかねないのが認知症の暴力です。
お年寄りだからか弱いと思っていると、思いのほか力があり、女性一人の力では抑えられないこともあります。
これは、本当に当事者でないとその酷さや苦痛は分かりません。その苦労は計り知れないものがあります。
施設での介護も大変なのは変わりありません。ただし、介護(特に認知症)のノウハウのある介護士さんは、コツを知っていますので、対処が上手いな~と感心したことがあります。
認知症の色々なパターン
重度の認知症と言っても、色々なパターンがあるようです。
認知症の母親を介護施設に入居させている知り合いの話です。
暴力的ではなくても、手づかみで物を食べてしまったり、人の物を勝手に食べてしまうような症状がありました。
その女性は、昼夜構わず、冷蔵庫にあるものを全て食べてしまいます。自分の冷蔵庫に限らず、他の部屋の方の冷蔵庫にまで手を出します。
自分の部屋の冷蔵庫は管理できますが、人の部屋の冷蔵庫まで管理できません。
老人ホームは、部屋にカギをかけたり、ベッドに縛り付けたりするのは「監禁」にあたるため原則禁止だと言うことです。
と言っても、家族が絶えず目を光らせているわけにもいかず、介護士さんは上手に対処していましたが、やはり大変だな~と思いました。
また、昼夜逆転し、夜中に叫んだりする方には、日中は色々な働きかけをすることで眠らないようにし、夜眠るように働きかけていると言うことです。
徘徊に関しては、外からは自由に入れる自動ドアですが、中からは、暗証番号を入れるとドアが開く仕組みになっていて、居住者が勝手に出て行ってしまうのを防ぐ効果があります。
もう一方の話。唯一息子の顔だけが分かる女性の話ですが、毎週日曜になると、息子さんが母親を連れ出し、ショッピングモールなどを1日中歩き回ると言います。
途中、ショッピングモールでオムツを2,3回替えるそうです。
1日外界からの刺激と歩き疲れた母親は、穏やかにぐっすりと眠ってくれると言います。
母親は、1週間に1度のこのお出かけを楽しみに頑張っているようです。
毎週のことで息子さんも大変かもしれませんが、すべて施設に任せっきりにしていないのは偉いですね。
他の方への迷惑が心配な認知症
認知症受け入れ可能な老人ホームは、認知症の方と一般の高齢者が同居してます。
他の方(認知症ではない居住者)への迷惑が心配な方は、グループホームがあります。
グループホームは、原則認知症の方が入る施設ですので、認知症患者さんに対しての対応は万全です。
やはり、認知症の母親を看てもらっている知り合いの話では、グループホームに入れて本当に良かったと言っていました。
他の入居者さんに対していつも申し訳ないと言う気持ちで苦しかったと言います。
グループホームは、認知症に対して良く理解しているので、できることとできないことを見極め、上手に対応してくれているそうです。