気管切開に対応してくれる老人ホーム・介護施設をご紹介
2020/08/29
気管切開の方を介護するには、知識と経験が必要となります。
切開した穴に取り付けたカニューレは定期的な交換が必要であり、痰が詰まってしまったなどの場合には、すぐに対応する必要があります。
そのようなことから、24時間看護師が常駐している施設や、医療法人が経営している施設、病院が併設されている施設が対象となります。
ここでは、気管切開に対応していくれる老人ホームや介護施設をご紹介しています。ご希望の方は資料を取り寄せた上、受け入れ体制などを相談してみてください。
気管切開について
気管切開は、首の付け根の部分を切開して気道に穴をあけ、空気を通り道を確保するために行われます。
開けた穴にはカニューレという太い管を差し込んで空気の通りを確保します。
長期的に使用されこともあり、合併症のリスクや感染症により命にも関わることがあるので、しっかりした管理が必要となります。
命を守るために行われる気管切開と永久気管孔
気管切開は、呼吸ができなくなってしまった人に、空気を確保し命を守るための措置で、手術によって行われます。
気管切開は、症状や病状が改善すれば、管を抜き孔を塞ぐことで元の状態に戻すことができます。
しかし、咽頭、喉頭に癌があったり、誤嚥が改善しない場合には、喉頭をとり気管を縫いつけてしまう「永久気管孔」の措置がとられます。
気管切開は声を出すことができますが、永久気管孔の場合には、声をだすことができなくなってしまいます。
気管切開が行われる病気
気管切開は、以下のような症状の場合、医師の診断のもと行われます。
気管切開の行わる症状
- 咽頭狭窄、咽頭の炎症、顔や頸部外傷により、気管が閉塞した場合
- 重症筋無力症や意識障害により、気管内に唾液や食べ物が詰まる恐れのある場合
- 肺炎や敗血症などにより、呼吸不全を起こし、呼吸を確保する場合
- 嚥下障害、誤嚥が多い、痰の排出が困難
気管切開をした後は、カニューレと呼ばれる太い管を取り付けて空気の流れを確保します。
気管切開のメリット、デメリット
空気を確保する手段としては、首下を切開して孔をあける「気管切開」の他、口や鼻から管を通し空気の流れを確保する「気管内挿管」という方法があります。
「気管切開」は、常に喉に管が通っている「気管内挿管」と違い、空気の通り道を別のルートでしっかり確保できるため、色々なメリットとがあります。
気管切開のメリット
- 痰などの掃除がしやすい
- 口や鼻が開放されるため楽である
- 口から食事することができる
- 声がだせる
- 鎮痛剤などが減らせる
しかし、「気管切開」にもデメリットもあります。
気管切開のデメリット
- 手術をして切開しなければならない
- 合併症や感染症の可能性がある
- 誤嚥のリスクが高い
- 長期使用で気管が麻痺してしまう
- カニューレの管理をしっかり行う必要がある
「気管内挿管」にするか、「気管切開」にするかは医師が診断、判断し、最終的には患者さんや家族の方の同意のもと行われます。
気管切開のケア
最も注意しないといけないのが、カニューレが塞がれないようにすることです。塞がれてしまと、窒息してしまいます。
塞ぐ原因となるのは、痰、異物の混入、肉芽の形成、カニューレ開口部の閉鎖などがあります。
そのほか、空気が乾燥しないように湿度管理(人工鼻を付ける場合には交換)、出血の確認、意思疎通の確認、感染症の予防などの管理が必要となります。
気管切開で老人ホームを検討している場合、専門のケアが必要になりますので、気管切開でも受け入れてくれるホームや施設を探すことが前提です。