保証人がいない老人ホーム入居法 保証協会不要の貴重なホームはここ
2020/08/22
せっかく良いホームが見つかっても、身内や親戚がなく保証人を立てられないばかりに入居することができないと言う例が増えています。
保証人がいない人は「保証協会(保証会社)」を利用すればOKというホームもありますが、その保証協会にかかる金額や信頼性などが問題になっている昨今、安心して任せられないという意見も聞かれます。
老人ホームの8割が保証人1名または2名が条件の現実
学校、就職、家を借りる、家を買うなど、日本では何か事をなすときには、必ず保証人を求められます。
保証人になると、契約者に問題があった場合に、契約者に代わり債務などの責任を負うことになります。
自分に収入のあるうちは、あまり問題にならなかった保証人も、年金暮らしの高齢者になると、保証人になるのも、なってもらうのも事情がかなり変わってきます。
特に、介護施設の保証人は、亡くなったときの身元引受人(遺体引き取り)と兼務することも多いので、三親等以内の保証人を求める施設もあります。
しかし、親戚のいない高齢者にとっては三親等は難しい問題です。
高齢者をめぐる保証人の問題
老人ホームに入居するとき、1人、または2人の保証人を条件としているところが多く、全老人施設の8割あると言われています。
実は、この保証人制度が、老人施設入居時の大きな問題となっているのです。
通常、保証人は、子、兄弟、親族など、身内の方になってもらいますが、核家族化が進む中、「保証人を頼める人がいない」という人が増えているのです。
1人で暮らす方や、兄弟も高齢のため保証人にはなれない、子供がいるのに事情があって「子供には頼めない・・」という人もいます。
老人施設の場合、金銭的な保証だけでなく、亡くなったときの身元引受け人(遺体引き取り)を兼ね、葬儀の問題もあるため、余計に難しくしていることもあります。
保証人がいない人の場合の対応【保証人不要】のホーム
では、保証人がいない人の場合には、どうすればよいのでしょうか。
老人ホームの中に数は少ないですが、「保証人不要」としている施設があります。
このような施設は全体の数%に過ぎませんが、入居金や月額料金をしっかり払えると判断してもらえれば、保証人不要で入居することができます。
最期を迎えたときの対応は施設との話し合いで決め、その取り決めに従い施設側がしっかり対応してくれます。
また、最近は「保証人相談可能」としている施設も増えてきました。
このような施設では、保証人の代わりをしてくれる保証会社(保証協会)との契約を条件としています。
保証会社(保証協会)には、公的団体のほか、民間やNPOがあります。
保証は、「家賃債務保証」のほか、亡くなったときの身柄引受け、事務手続き、葬儀、お墓などのオプションを選んで契約します。
保証会社(保証協会)の主な保証内容
- 家賃保証
- 身元保証
- 日常生活支援
- 金銭・財産管理
- 緊急時の事務手続き、連絡等
- 葬儀・納骨
料金は、どこまで契約するかによってかわってきますが、だいたい100万円~200万円程度のようです。
「身元保証人相談可能」としている施設の場合、施設側で保証会社と提携している場合があるので相談してみてください。
保証人不要、保証人相談可能としている施設の現状
実際に、「保証人不要」「保証人相談可能」としている老人施設に、電話して対応を聞いてみました。
結果は、施設によりかなり対応が違うことがわかりました。
ケース1 「保証人不要」 サービス付き高齢者住宅 ここいち上尾
所在地:埼玉県上尾市本町4-8-19
・入居一時金 14万1000円
・月額料金 11万2000円(食費3.5万円込み)
「ここいち」を運営している「株式会社いっしん」は、訪問介護、居宅介護支援事業所や介護施設等を全国展開している会社です。
「保証人不要」の内容を聞いてみたところ、月額料金をしっかり払える方と判断できれば、保証人がいなくても問題なく入居できるということです。
グループ内で葬儀事業も行っているため、万が一の時には葬儀や納骨も、しっかり対応してくれるそうです。
保証人等の追加料金もなく、入居することができます。
上記のページにアクセスし、ページをスクロール。「好きな言葉で探す」項目に「ここいち」と入力すると、株式会社いっしんが運営するここいちホームの一覧が表示されます。
「保証人要相談」 トミオさいたま桜テラス 介護付有料老人ホーム
所在地:埼玉県さいたま市北区本郷町460
・入居時費用 0 万円
・月額利用料 15.3 万円(食費26,892円込み)
シニアの安心相談室で紹介 0120-523-982
株式会社トミオケアが運営する、介護付有料老人ホーム「トミオさいたま桜テラス 」では、「保証人要相談」となってましたが、電話してみると保証人不要で入居できるということでした。
保証会社との契約も必要なく、緊急時の身元引受けに関しても、施設の方で対応してくれるそうです。
ケース2 「保証人要相談」 介護付き有料老人ホーム W
・入居一時金 0円
・月額利用料 20万円
保証人がいない方の対応として、保証サービス会社を紹介してくれました。
保証サービス会社と契約すると、保証サービス会社が保証人になってくれるため問題なく入居することができるとのこと。
保証の料金は、1年目は施設利用料の50%(月額20万円の場合年間10万円)、2年目以降は施設利用料の35%の料金(月額20万円の場合年間7万円)、以降毎年35%の保証料とのことでした。
ただし、身元引受人に関しては別で、NPOの組織を紹介してくれるとこのことです。
NPOは、成年後見人も含め相談にのってくれ、費用は格安な料金で受けてくれるようです。
ケース3 「保証人要相談」 介護付有料老人ホーム H
・入居一時金 16万円
・月額利用料 13.5 ~ 16.9 万円
入居には、原則2名の保証人が必要ですが、民間の保証会社で対応することができるということです。
現在、同様に民間保証の会社を使って入居している人がいるそうです。民間の保証会社は、訪問した方だけに教えているとのことでした。
ケース4 「保証人要相談」 介護付有料老人ホーム B
・入居時費用 0 万円
・月額利用料 16.8 万円
「保証人要相談」 ということで連絡したのですが・・、と電話したところ、保証人と身元引受人がいない場合には、引き受けられないと言われました。
「何か、対応策はありませんか?」と聞いたところ、「保証会社と契約してもらえればOK」とのことです。
「どこか紹介してもらえませんか?」との依頼に、施設と提携している保証協会はないので、自分で探してください、との冷たい回答でした。
保証人不要に対する施設の対応はまちまち
保証人が見つからない人は、地域や料金などで施設検討する前に、真っ先に保証人についての対応を確認しておく必要があります。
施設の反応は、受け入れに寛容なとこもあれば、できれば断りたいという感じがミエミエのところもあり、それこそ施設により対応はまちまちです。
保証協会(保証会社)を利用する場合でも、注意が必要です。
保証協会(保証会社)を選ぶときには注意が必要
最近、保証協会(保証会社)の倒産が増えており、保証料や葬儀費など前払いで納めた金額が戻ってこないケースがあります。
もちろん、キチンとした保証協会(保証会社)もありますが、残念ながらずさん管理をしている保証協会(保証会社)もあるようです。
ある市役所の福祉課に、保証人について相談したところ、やはり保証協会(保証会社)の利用を提案してくれました。
料金は100万円~200万円とのことでした。「倒産の心配は・・?」と聞いたところ、「そういう心配もありますよね・・」と心もとない返事でした。
保証協会(保証会社)に葬儀やお墓の費用を前渡し契約したのに「倒産」では、済まされる問題ではありません。
利用するときには、施設と提携している保証協会(保証会社)や、経営母体は大丈夫かなど、しっかり確認し利用した方が安心です。