グループホームとケアハウス、特老など様々な施設の違い
老人ホームや介護施設を探していると、ケアハウス、グループホーム、サービス付高齢者住宅(サ高住)などと言う言葉に出合います。
グループホームと言えば、「お世話する人の他、認知症の方が助け合いながら少人数で入居する施設」くらいの認識はありますが、では、ケアハウスとどう違うのでしょうか。
よく見かける老人ホームの種類と受けられるサービスをまとめてみました。
まず、介護施設は大きく分けると、「民間施設」と「公的施設」に分かれます。
その別れた区分の中に、色々な施設のタイプがあります。
まず、民間施設から見ていきましょう。
民間施設
民間の有料老人ホームには、介護付有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、健康型有料老人ホームと3つのタイプあります。
有料老人ホーム
①介護付有料老人ホーム
②住宅型有料老人ホーム
③健康型有料老人ホーム
この中で一番多いのが、①介護付有料老人ホームと②住宅型有料老人ホームで、③健康型有料老人ホームは非常に数が少ないのが現状です。
まず、1人での生活が難しく介護が必要な場合、①介護付有料老人ホームに入居するのが一般的です。
①介護付有料老人ホームは、食事や入浴などの日常生活のお世話や、機能訓練などが受けられます。
月額費用の中に介護サービス料が含まれていますので、介護度が重い高齢者も介護面では安心です。自己負担は、介護保険の1割です。
一方、②住宅型有料老人ホームは、自立した生活が可能で、自宅同様の暮らしができる高齢者向けの入居施設です。
ホームヘルパーやデイサービス、訪問看護など、自分の健康状態に合わせたプランを立てられるのが魅力ですが、費用は月額料金に含まれていないことが多く、介護保険の限度額を超えると自己負担が高額になることがあります。
その他の施設
その他の施設としては、サービス付き高齢者向け住宅、グループホーム、シルバーハウジングと3タイプあります。
①サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
②グループホーム
③シルバーハウジング
この中で、圧倒的に数が多いのが②グループホームです。次に①サービス付高齢者住宅の順番になります。
②グループホームは、認知症の方の老人施設で、5人から9人ほどの小さな集団で共同生活をする施設です。
現在、認知症を発症する高齢者は増加の一途をたどり、それに比例してグループホームの数は増加しています。
地域によっては、「認知症ならグループホーム」と言う合言葉があるほどです。
認知症でも比較的元気な方を対象とし、他に重度の疾病がある方は基本的には入居できません。
①サービス付高齢者住宅は、自立~軽度の要介護者が自立した生活ができることが条件で、基本的に認知症などに対応していません。
主なサービスは、「安否確認」と「生活相談」で、重度の介護サービスを受けることはできません。よって、重度の介護状態では住み続けることは難しいと言えます。
高齢者に適した住宅を高齢者でも比較的簡単に借りることができますが、一般的な賃貸住宅より多少家賃が高くなります。
生活での支援を受ける場合は、介護保険でのホームヘルパーのサービスなどの訪問介護サービスを利用することになります。
公共施設
公共施設は、介護保険施設と福祉施設の2つタイプに別れます。
介護保険施設
①特別養護老人ホーム
②介護老人保健施設 (老健)
③介護療養型医療施設
介護保険施設は、①特別養護老人ホーム、②介護老人保健施設、③介護療養型医療施設と3つのタイプがあります。
①特別養護老人ホームは、日常生活の介護や機能訓練などのサービスが受けられます。基本、終身で重度の要介護者も入居可能です。
なんといっても、入居一時金が不要で、月々の利用料金も安いのが魅力ですが、多くの施設で数百人の待機者がいて、なかなか入居できないのが現状です。
次に、入院後、退院が決まり、すぐに自宅に戻るのは不安と言う場合、病院と自宅の中間の役割をするのが、②介護老人保健施設です。
②介護老人保健施設も、入居一時金が不要で、月々の利用料金も安いのが魅力です。
③介護療養型医療施設も、②介護老人保健施設と同様、急性期の治療が終わり、慢性的な治療を行うために入所する施設です。
医療に重点を置き、医療処置も受けられ、長期的な利用が可能なことが②介護老人保健施設との違いになります。
福祉施設
①ケアハウス
②養護老人ホーム
福祉施設には、①ケアハウスと②養護老人ホームがあります。
①ケアハウスは軽費老人ホームと言われ、有料老人ホームに比べて比較的月額料金が安く設定されています。
一般的には介護度が低く身の回りのことが自分でできる高齢者が対象です。
ケアハウスは人気があり、希望者が多いため、すぐに入居できないのが現状です。
②養護老人ホームは、経済的な理由や家庭環境などから自宅で生活ができない高齢者を、社会復帰させたり、自立した生活を支援することが目的の施設です。
入居一時金が不要で、月々の利用料金も安いのが魅力です。
こちらも介護度が低く、身の回りのことが自分でできることが条件です。
②養護老人ホームは、施設の数が非常に少なく待機者が多いので、簡単に入ることができないのが現状です。
民間施設と公共施設
一般的に言われていることですが、民間に比べて公共は一時金が不要で月額費用も安いのが特徴です。
しかし、施設の数が圧倒的に足りていない状況で、待機者が多く、介護度が軽い人などはほとんど入れないと言って良いでしょう。
公共施設に入れない場合は、民間施設のお世話になると思います。
民間施設にも色々なタイプがありますので、
終身で介護を受けられるのか?
認知症でも入れるのか?
病気になっても受け入れてくれるのか?など
良く調べてから入居することが大切です。