老人施設と在宅介護 本人、家族にとって本当の幸せはどっちなのか
2016/04/16
認知症を抱える家族は、まるで生活が一変してしまうといいます。
治療薬の開発にあと一歩まで迫っているものの、現在のところまだ有効的な治療法はまだ確立されていません。
「一瞬足りとも目が離せず、夜もゆっくり寝ることもできない・・・頑張っているのに、返ってくるのは、感謝の気持ちではなく、罵りや罵倒で本当に悲しくなっちゃう・・」
認知症の親を全力で看ている友人の言葉が、心に響きます。
認知症の場合、症状が改善することなくどんどん悪化し、それが悲しいことに亡くなるまで続いてしまいます。
実際、認知症の親の面倒を在宅で看取った方のほとんどが、地獄のようだったと語ります。
精神的にも、肉体的にも、金銭的にも追い込まれてしまうのが「認知症」という悲しい病気なのです。
しかし、そんな認知症も環境を変えることで、かなり症状が改善できることがわかってきました。
NHKスペシャルの「シリーズ認知症革命」では、暴力や徘徊などの行動を改善に成功した例を紹介していました。
認知症の暴力・徘徊を改善した成功例
島根県出雲にある、重度認知障害者ディケア「小山のおうち」では、認知症の患者に手紙を書いてもらっています。
認知症の暴力や徘徊などの行動は、自分を理解してくれないことの苛立ちだといいます。
それをしっかり受け止めてあげれば、表情も穏やかになり暴力的な行動も少なくなります。
けっして否定せず受け入れることで、攻撃的な性格や徘徊などの症状が改善できます。
でも、家族として毎日いっしょに生活している場合、そのスタンスを保ち続けることはかなり難しいことです。
介護施設では、患者と介護者という勤務時間内の対応ですが、在宅の場合には四六時中一緒に生活しています。
家族だから、よけいイライラが募りキツイ言葉を投げかけてしまいがちになります。
そのよう現状から考えると、やはり施設を利用した方が、お互いの幸せのような気がします。
施設利用すれば自分の時間を持つことができ、心に余裕ができるため最後まで親と良好な関係を保つことができます。
介護はやっぱりプロの仕事であり、一人の素人が介護するにはどうしても限界があります。
現在、認知症の方を受け入れてくれる施設は4つあります。
①特別養護老人ホーム(公営)
②有料老人ホーム(民間)
③サービス付き高齢者住宅(民間)
④グループホーム(民間)
今の介護施設は、環境もサービス内容も大きく改善しています。お悩みの方はぜひ、一度見学してみてはいかがでしょうか。